この記事では、通常の名刺よりも一回り小さい「3号名刺」について、正確な寸法や標準的な4号サイズとの違い、適した名刺用途、そして名刺データ作成時の注意点(塗り足し・余白・DPI・px換算)を詳しく解説します。
▼ この記事の結論
-
- 3号名刺のサイズ
- 49mm × 85mm(横型・縦型どちらも作成可能)
-
- 想定される名刺用途
- 女性向け名刺・ショップカード・配布枚数が多いイベント用
-
- 名刺サイズの選び方
- 迷った場合は標準的な「4号(91mm × 55mm)」が推奨される
-
- 名刺データ制作のルール
- 塗り足しは各辺3mm/安全余白3mm/解像度は300dpi以上を厳守する
3号名刺サイズの基本について
3号名刺とは、寸法が「49mm × 85mm」の小型サイズの名刺を指します。このサイズは、一般的に「ミニ名刺」や「女性名刺」という呼称で流通することもあります。
注意点として、印刷会社によっては「49mm × 87mm」など、微妙に異なるサイズを3号と呼ぶ場合があります。そのため、発注者は号数だけで判断せず、必ず「mm単位の寸法」を確認して指定することが重要です。
3号名刺は、横型と縦型で印象が大きく異なります。
-
- 縦型
- 余白を活かした上品なデザインに適しています。
-
- 横型
- 情報が横書きで整理しやすいため、実用的なレイアウトに適しています。
4号(標準)・海外規格との違いを一目で比較
日本で最も一般的な「4号サイズ(通常サイズ)」や、海外の規格と3号名刺はどう違うのでしょうか。以下の表で比較します。
| 規格名 | 寸法(mm) | 特徴 |
|---|---|---|
| 3号 | 49×85 | 小型で可愛らしい印象。女性用名刺やショップカード向け。 |
| 4号 | 91×55 | 日本のビジネス標準サイズ。情報量と可読性が高い。 |
| US(欧米) | 89×51 | アメリカやカナダの標準。少し細長い印象。 |
| EU / クレカ | 85×55 | 欧州規格やクレジットカードと同等。財布に入りやすい。 |
一般的に呼ばれる「4号」は、「東京4号」とも呼ばれます。実は「大阪9号」もこの東京4号と全く同じ寸法(91mm × 55mm)
ビジネスシーンでの利用を考えるなら4号が無難ですが、他者との差別化やショップカードとしての利用なら3号が有力な候補となります。
3号サイズが向く用途と向かない用途
名刺のサイズが小さい3号名刺は、使用シーンによって向き不向きがはっきりと分かれます。
3号名刺が向いている用途
-
- 美容・サロン・アパレル:
- おしゃれなショップカードとして雰囲気が合います。
-
- 個人のプライベート名刺
- 情報を絞ったミニマルなデザインに適しています。
-
- イベントでの配布
- サイズが小さいため、大量に持ち歩いて配布する場合に便利です。
3号名刺が向かない用途
-
- 一般的なB2Bビジネス
- 役職、部署名、英訳併記など、掲載情報が多い場合はスペースが不足します。
-
- 海外の展示会
- 現地の規格(USやEUサイズ)が優先されるため、小さすぎる名刺は管理されにくい可能性があります。
3号名刺を選ぶメリットとデメリット
名刺を注文する時に、3号名刺を選ぶ際に知っておくべきメリットとデメリットを整理します。
3号名刺のメリット
- 小さくて可愛らしい見た目が、相手に強い印象を与えます。
- 他者の名刺サイズと異なるため、差別化が図れます。
- 名刺サイズが小さいため、財布やカードケースに入れやすく、配布が容易です。
- 名刺用紙の使用量が少ないため、コスト調整がしやすい場合があります。
3号名刺のデメリット
- 一般的な名刺入れに入れた際、サイズが小さいために隙間(遊び)ができ、動きやすくなります。
- 印刷面が狭いため、多くの情報を載せると文字が小さくなり、可読性が下がります。
- QRコードを配置する場合、読み取りに必要なサイズを確保するとデザインを圧迫します。
3号名刺をデザインする際のコツ
狭いスペースを有効活用するために、デザイナーは以下のコツを意識すると良いでしょう。
-
- レイアウトの優先順位:
- すべての情報を大きくはできません。「氏名(見出し)」を最も強くし、次に「役職」、最後に「連絡先」というように、情報の優先順位を明確にします。
-
- 文字サイズの下限:
- 可読性を保つため、本文は9pt以上を目安にします。氏名は本文よりプラス2〜4pt大きくするとバランスが良くなります。行間はやや広めに取ると読みやすくなります。
-
- QRコードの扱い:
- 読み取りエラーを防ぐため、実寸で15mm角以上を確保します。URLを短縮したり、アイコン化したりしてスペースを節約します。
-
- 角丸加工の活用:
- 角を丸くする加工(R2〜R3程度)や、余白を多めに取るデザインにすることで、上質な仕上がりになります。
3号名刺のデータ作成における仕上がり・塗り足し・安全余白
入稿データを作成する時は、以下の寸法ルールを守る必要があります。
-
- 仕上がりサイズ:
- 49mm × 85mm
-
- 塗り足し:
- 上下左右に各3mmを追加します(合計で縦横+6mm)。背景色や写真は必ずこのラインまで伸ばします。
-
- 安全余白:
- 仕上がり線の内側3mmには、切れてはいけない文字やロゴを配置しないようにします。
印刷工程では、±1mm程度の断裁ズレが発生する可能性があります。重要な要素は安全余白の内側に収めることが鉄則です。
また、カラー設定において「黒ベタ」を使用する場合は、リッチブラックの設定や版ズレに注意が必要です。
3号サイズのpx換算と推奨DPI
Webデザインツールなどで作成する場合、制作者は以下のピクセル換算値を参考にしてください。印刷品質を保つため、解像度は300dpi以上が必要です。
3号(49mm × 85mm)仕上がり寸法のpx換算
-
- 300dpi
- 579px × 1004px
-
- 350dpi
- 675px × 1171px
-
- 400dpi
- 772px × 1339px
塗り足し込み(+6mm=55mm × 91mm)のサイズ
-
- 300dpiの場合
- 650px × 1075px
安全余白内側(−6mm=43mm × 79mm)の有効エリア
-
- 300dpiの場合
- 508px × 933px
ライオン印刷では、AI(Illustrator)、PSD(Photoshop)、PDFの形式に対応したテンプレート(3号・4号・US・EUなど)を用意しております。ぜひご活用ください。
名刺用紙の厚みや加工との相性
3号名刺はサイズが小さいため、名刺用紙選びや加工によって質感が大きく変わります。
-
- 名刺用紙の厚み
- 標準的な名刺の厚さは180kg〜220kgが目安です。小型の3号名刺は、やや厚手の紙を選ぶと存在感が増し、安っぽく見えません。
-
- 加工の相性
- 箔押し、活版印刷、エンボス、マットPPといった特殊加工は、小さな紙面によく映えます。ただし、細かい加工は版ズレの原因になるため、デザイン時は注意が必要です。
名刺用紙の厚みや加工との相性
名刺を注文する際のトラブルを避けるために確認すべきポイントは以下の通りです。
-
- 寸法の明示
- 単に「3号」と伝えるだけでなく、「49mm × 85mm、角丸R2加工」のように、具体的な数値と加工内容を伝えます。
-
- ロットと価格
- 注文枚数(ロット)と納期の関係を確認します。増刷が必要になった際は、前回と同じ条件であることを再確認してください。
-
- 海外利用の有無
- もし海外での配布も予定しているなら、3号ではなくEUサイズ(85mm × 55mm)やUSサイズ(89mm × 51mm)を別途用意することを検討してください。
3号名刺を作成する時によくある質問
- 3号名刺は何ミリですか?
- 一般的には49mm × 85mmです。
- 女性名刺とは何ですか?
- 3号サイズなどの小型名刺を指す慣用表現です。用途やデザイン次第であり、性別に関わらず使用可能です。
- 一般的な名刺入れに入りますか?
- 多くの名刺入れに入りますが、サイズが小さいため内部で動きやすく(遊びが出やすく)、落下や角の劣化に注意が必要です。
- 作成データの解像度は何dpiが必要ですか?
- 300dpi以上が必要です。写真が多いデザインの場合は350dpiで作成するとより鮮明です。
- QRコードは最小何ミリ必要ですか?
- 確実に読み取るために、15mm角以上のサイズを推奨します。
- 3号と4号、どちらが無難ですか?
- サイズに迷うようであれば、標準サイズである4号(91mm × 55mm)をおすすめします。
まとめ
3号名刺(49mm × 85mm)は、小型で可愛らしく、他者と差別化しやすいサイズです。ショップカードや、情報量を絞った個人のプライベート名刺には最適ですが、一般的な名刺入れとの互換性や文字の可読性には配慮が必要です。
名刺のデザインする方は、名刺データ作成時に「塗り足し各3mm」「安全余白3mm」「解像度300dpi以上」のルールを守り、QRコードは15mm角以上、本文は9pt以上で配置することで失敗を防げます。
標準的なビジネス運用を優先するなら4号(91mm × 55mm)、企画性やブランドのトーンを重視するなら3号というように、注文する時は「名刺の用途」を起点にサイズを選定することが、最適な名刺作りへの近道です。